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Saturday, November 28, 2015

本日のメルマガ

(1)ニュース速報


 ┏━━━━━━━┓
■□ ニュース速報 □■
 ┗━━━━━━━┛

今回は、短い間隔での発行です。前号で、ネタニヤーフ首相がアメリカのケリー
国務長官に対し、入植活動を今後も容認することを要求したことをお伝えしまし
た。これを受けて、国務省報道官が、アメリカは「これまでも入植地建設を認め
てこなかったし、この政策は変わりがない」と明言しました。入植地容認を示唆
した2004年のブッシュⅡ大統領書簡と2005年の米イ「密約」を公式に否定したも
のです。もっとも、アメリカは、入植活動を非難する国連安保理決議案には、た
びたび拒否権を発動してきたので、今後どうなるか、見ものです。

イスラエルが、UAEのアブ・ダビに公式の在外代表部を置くことが決まったよ
うです。Haaretzの特ダネです。イスラエルと正式な外交関係を持つのは、エジ
プトとヨルダンの2カ国だけですが、イスラエルは、その他のアラブ諸国とは、
ひんぱんに接触しています。公然の秘密です。

以下、11月25日以降のニュースです。

【11月25日(水)】

■アメリカ国務省報道官「わが国は、イスラエルの入植活動を認めず、今後も認めない」■

アメリカ国務省のマーク・トーナー報道官は、記者会見で、ネタニヤーフ首相に
よる、入植地建設の容認の求めに対するアメリカの答えは「ビッグ・ノー」だと
述べた。同報道官は、民主党、共和党政権の別なく、「すべての政権が、1967年
以来、イスラエルの入植活動に反対しており、わが政権も同様だ」と強調した。

ネタニヤーフ首相は、前日のケリー国務長官との会談で、イスラエルが「現在も、
今後とも入植活動を凍結することはない」と断言、アメリカの同意を要求した。
(11/25 Haaretz)


【11月26日(木)】

■西岸各地の衝突で、パレスチナ人3人が射殺される■

パレスチナ自治政府当局者などによると、イスラエル軍は、捜索のため、ラーマ
ッラー近郊のカタンナ村に侵入、抗議する若者らが石やカエンビンを投げた。軍
の発砲でパレスチナ人の青年(21)が死んだ。

ナーブルスに近いタプアハ交差点の検問所では、パレスチナ人(51)がイスラエル
治安部隊に撃たれて死亡。イスラエル側によれば、彼はナイフを持っていたとい
う。

ヘブロン近郊のアル・アッルーブ難民キャンプでは、20歳のパレスチナ人がイス
ラエル兵に撃たれ、病院搬送後死亡した。

アッバース大統領は、一連の事件について「将来に絶望した若者たちがこうした
行動に及んでいる」「最近のイスラエル政府のやり方が、我々とイスラエルが結
んだ政治・経済合意の基盤を壊している」と記者団に語った。
(11/26 Reuters、Haaretz)

■ネゲヴ地方の同じベドウィン村、91回目の破壊■

地域住民によると、イスラエル軍は、土木機械を動員、ネゲヴ地方のベドウィン
村「アル・アラキーブ」を破壊した。イスラエルによる同ベドウィン村の破壊は、
2010年以来91回目。村が破壊されるたび、住民は同村の墓地に避難、村を再建し
退去を拒否している。

ネゲヴ地方では、約26万人のベドウィンが居住。うち53,000人が住む40の村は、
無許可建築だとして繰り返し破壊・撤去が行われている。ベドウィンたちは、長
い遊牧生活実績を根拠に慣習にもとづく居住権を主張している。
(11/26 Maan News ほか)


【11月27日(金)】

■UAEにイスラエルの公館開設へ■

同日のHaaretzが、イスラエル高官(匿名)の話として伝えるところによると、
イスラエルは、UAEの首都アブ・ダビに公式の代表部を開設する。代表部は、
アブ・ダビに本部を置くIRENA(国際再生エネルギー機関)へのイスラエル
の出先機関となるもので、24日にイスラエル外務省のドレ・ゴールド外務次官が、
IRENAの定例理事会出席のため、アブ・ダビを訪問した際、同機関のアドナ
ン・アミーン理事長(director general)と会談、その開設が決まった。

ヨルダン、エジプト以外のアラブ諸国内にイスラエルの在外公館が開設されるの
は、初めて。

アブ・ダビにイスラエルの公式公館を開設する話は、数年前から秘密裡に続けら
れてきたが、UAEでハマースの幹部がイスラエルの秘密工作員に刺され、一時
中断。その後、秘密交渉が再開された。UAEでは、IRENAの会合を通じて、
イスラエルとアラブ諸国の閣僚レベルの接触も始まっていた。
(11/27 Haaretz)


(出典:Haaretz 、Maan News、Reuters、)


<注1> 2007年以来、事実上分裂状態にあったパレスチナ自治政府は、2014年
6月24日、ようやく統一内閣を発足させました。統一合意では、暫定政府のもと、
6ヶ月以内にPLC(パレスチナ立法評議会)と大統領選挙が行われることにな
っていました。期限を大幅に過ぎていますが、状況は流動的で、選挙準備はおろ
か、西岸・ガザ地区の行政機構の整理統合も進んでいない模様です。関係者のタ
イトルなど、一貫性に欠けることもあると思いますが、ご了承ください。

<注2> 2012年9月の国連総会決議で、パレスチナは、国連によって、ヴァテ
ィカン同様「オブザーヴァー国家」として承認されました。「パレスチナ国家」
「PLO」「パレスチナ自治政府」の関係がどうなるのか、国際法的にも微妙な
問題があります。パレスチナの組織やパレスチナ人の役職などをどう表現するか。
この点についても、その都度判断することにします。

<注3> 各ニュース記事末尾の(カッコ)内は、その主なニュース源です。
ずしも、元の記事の翻訳や抄訳ではありません。とくに断らない限り、Webサイ
ト上の情報です。日本語ニュースの場合、固有名詞の表記などは、編集者の判断
で変えることがあります。

<注4>ここでは、時々、熱川勇太さん提供の情報、東京外大AA研翻訳の記事を
使わせていただいております。


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編集人:奈良本英佑
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